傘の家 IoT
腕の生えた家のオブジェが傘を持っています。内蔵のWiFi対応マイコンが定期的に天気予報情報をインターネットから取得し、予報が雨や雪だった場合に傘を持ち上げることで知らせます。 このオブジェを玄関に置いておくことで、出かけるときに傘を持っていくべきかどうかが一目でわかります。 傘の家は家庭内、特に玄関やリビングに設置することを想定しています。コンセントに挿すだけで スタンドアロンで動作し、家庭内のWiFiにつながって動作しはじめます。 IoT とは ” Internet of Things”の頭文字をとったことばで、あらゆるモノに通信技術を組み込み、インターネットを介してダイレクトに情報のやり取りをする技術コンセプトのことを指します。 目指したのは、掛け時計やカレンダーのように扱えるIoTです。つまりユーザーに一切の操作を求めることなく、ただ見るだけで行為が完結するよう体験をデザインしました。また生活空間に自然に溶け込むことを最重要視し、情報の呈示手段として光や音を用いることは避け、人知れず形状が変化するオブジェというかたちをとりました。 家というものの歴史を振り返ると、水道、ガス、 電気、テレビ、インターネットなど、時代ごとにさまざまな技術を取り込むことで進化してきたといえます。さらに建築の起源までさかのぼると、初期の人類が雨を防ぐために木と木の間に梁を渡して屋根を作ったものであると言われています(プリミティブハット)。家が傘を持っている造形は「家が今後さらに進化し知性と運動能力を持ったとしたら、初期の人類がそうであったように、雨に濡れるのを嫌がるのではないか」というコンセプトによるものです。 この作品は、インスタレーション作品『傘の家 – La casa con paraguas』を、IoTデバイスとしてリメイクしたものです。(中田) |
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